下流喰い―消費者金融の実態
須田 慎一郎

定価: \735
販売価格: \735
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発売日: 2006/09/01
発売元: 筑摩書房
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わかり易くサラ金の恐ろしさを教えてくれますこの本を読んでから駅前のサラ金の看板を見るだけでぞっとするようになりました。
私は新聞も余り読みませんし、時事に疎い人間です。本書はそういう人間でもすぐに読破できるほど、分かり易くサラ金の恐ろしさを教えてくれるとても親切な本です。
ソフトな顔に隠されたおぞましい実態に鋭く切り込む・・・空前の利益を稼ぎ出し、いまやメガバンクまでが参入を図っている消費者金融の世界を、金融業界を書かせると随一の著者が描く。
大手から中堅・中小いわゆる闇金と呼ばれる業者まで、半ば野放しにされグレーゾーン金利と呼ばれる金利帯を活用し顧客が事実上借金から抜け出せなくなるような状況を作っていく手口など著者は鋭く切り込んでいく。
国会でグレーゾーン金利が議論になったのは記憶に新しいが、著者は業界擁護派の論陣の齟齬を厳しく指弾する。
実感を伴わない好況の影で庶民生活を蚕食している消費者金融、格差社会等の問題も垣間見せつつ、下流出身者が同じ下流出身者を食い物にする様相なども含み、下流喰いという言葉に行き着く・・・。
実は、本書を読んで最も不気味に感じられたのは、著者による業界批判の記事を掲載しようとした夕刊紙に対して、広告の引き上げをちらつかせた大手広告代理店が、親会社の新聞社に対して、圧力を掛けてきたという件だった。民衆から吸い上げた豊富な資金量をバックに、マスコミに対してすら口を塞ごうとする姿勢は不気味以外の何者でもない・・・。
あちこちに罠の張られた社会 良い本だ。
この本に書かれているような事案が多数生起していることは知っていたが、その知識を補強できた。今も昔も、多重債務者は借金を返すための借金を重ねる。
ただそれが、本人のミスや怠惰によるだけのものでなく、仕掛けられた罠にはまるような状態に近くなっているのが現代日本社会だ。
うまくカモフラージュされた落とし穴に落ちた人を「不注意だ!」と責めるわけにはいくまい。
人に恥じることなく白昼堂々と落とし穴を掘り、カモフラージュに勤しむ人間がいて、誰もそれを咎めない。こういう風潮が全く普通になったことに気味悪さを覚える。
金融は社会に必要な機能だ。だが、いま金融界は従来なら人間のクズのやることとされてきた領域に、上から下までドップリ浸かりつつある。
この書評と直接は関係ないが、消費者金融のTVCMに出ているタレントは自分たちのことをどう思っているのだろうか。
ちゃんと自分のことを人間のクズに荷担する腐廃物だと自覚しているのか。
何の考えもなしに、とにかく入った仕事に飛びつかねばならない若い奴はまだしも、もう充分に実績もあり、
これからは自分の人生を思うようにデザインしていくべき者が、サラ金のCMに出ているのを見ると暗澹たる心持ちになる。
いったい桃井かおりや竹中直人は何を考えてあのCMに出ているのだろうか。