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ドコモ・トヨタ・ソニーIT覇権戦争―勝てば総取り、負けると下請け

塚本 潔

ドコモ・トヨタ・ソニーIT覇権戦争―勝てば総取り、負けると下請け

定価: \870

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発売日: 2000/09/01

発売元: 光文社

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iモードの爆発的なヒットで新市場を総取りした形になっているNTTドコモに対して、現在多くの企業が、あるものはドコモと手を組み、あるものはドコモと真っ向から勝負することで、新市場のパイの分捕りをめぐってさまざまな仕掛けを展開している。そうした企業群のなかで、「協調戦略」と「競争戦略」を巧みに使い分けてドコモとIT覇権争奪戦を繰り広げている代表格がトヨタとソニーである。トヨタは国内に2100万人、海外に2700万人の顧客をもつ世界第3位の自動車メーカー。ソニーはかつてウォークマンで、最近ではプレイステーション-兇筌▲ぅ椶離劵奪箸巴里蕕譴襯┘譽-トロニクス業界の雄である。両者がIT市場への本格的な参入を始めたのはともに1995年、いわゆる日本の情報流通革命元年といわれる年である。この年、トヨタ自動車の社長に就任した奥田碩とソニーの社長に就任した出井伸之の2人の経営者に共通していたことは、「この先世の中がインターネットを軸にとんでもない方向に変わる」「それに遅れてはならない」という強い危機意識を持っていたことだった。そこへiモードを仕掛けたドコモの榎啓一を含めた3人が「インターネットを使ってビジネスを変える」と考えた時点から、強者である3社による戦いの火ぶたが切って落とされたのである。彼らに共通していることは、「失敗を恐れないこと」「先手必勝」「時代の波に乗り遅れるな」という経営マインドである。それは経営者に限らず第一線の現場で行動するビジネスマンに必須の意識であろう。本書は、ドコモ、トヨタ、ソニーが三つ巴となって、25歳から29歳までの団塊ジュニア800万人、30代までを含めると2000万人にのぼるニュージェネレーション市場をめぐって、激しいIT覇権争奪戦を展開する最前線を描いたドキュメント。IT市場の現実が手に取るようにわかるのがうれしい。(辻秀雄)


三つ巴
ドコモ、トヨタ、ソニーと言う日本を代表する
企業の情報通信に関する戦略などを記した本。
各社それぞれに独自の方向性があり、そこに向けて
動いているというのが実感できました。
印象的だったのが、この本が出版された当時では不可能と
されていた定額制高速インターネットの普及が僅かその一年後に

実現できていると言うことです。この世界の動きの早さを感じます。
今後の情報通信の世界でもこれらの企業が目指す方向性が
日本のそれに影響することになるのではないでしょうか?

なぜ、トヨタが・・・
タイトルを見て、「おやっ」と思った。ドコモ対ソニーの構図なら、なんとなく分かる気がする。でも、なぜそこにトヨタが絡んでくるのか? しかし、本書を読んでみてその謎は解けた。KDDIを傘下におさめ、かつGAZOOを展開するトヨタはドコモの最大の敵といっても過言ではないのだ。

本書は、i-mode立ち上げの功労者であるドコモの榎取締役、トヨタの奥田会長、そしてソニーの出井会長の三人を主役に、これらの三社がITを軸に、どのように手を組み、またどのように戦ってきたかを、裏話を交えながらみごとに描いている。私などから見たら、これら三社は磐石の体制を築いているかのように思えるが、それぞれに不安と苦悩を抱えていることがよく分かる。また、この三社がそれぞれに刺激しあうことが、日本再生のカギを握っていることも理解できる。 そんな意味で、本書は企業バトルを描いたエンターテイメント読み物として楽しめると同時に、現在の日本の最新IT事情を描いた情報読みものとしても楽しめる内容になっている。

これではちょっと
 はじめに断って置くが、私は著者には何の悪意もない。一読者として、期待を持ってこの本を買った。だが、それだけに正直言って失望した。

 一言で言えば、内容が浅い。どの企業の担当者の話もほとんど広報を通して聞けるような話の域を出ておらず、これでは「生の声」「本音」は伝わってこない。また、ITの現状や将来についての考察、分析も、それなりに初心者向けにはまとまっているかもしれないが、多少なりともその分野に知識、興味を持っている人間には全く満足できない内容だ。

 さらに言うと、ドコモ・トヨタ・ソニーの3社を取り上げた発想は良かったと思うが、その連関は今ひとつ描ききれておらず、最後の方では多少強引の感がある。

 ちょっと厳しすぎる意見かもしれないが、それだけ本書に期待を持って読んだということ。表題の3社のITに関する動向に興味はあるが、それほど詳しくはないという人には格好の入門書にもなり得るのではないか。